今ある幸せに気づかされる。 住野よる 著『また、同じ夢を見ていた』
こんにちは。きょんです。
「幸せってなんだろう…」って考えることありませんか?
今回は、人生哲学が好きな人におすすめの小説を紹介します。
『君の膵臓をたべたい』でおなじみの住野よるさんの、『また、同じ夢を見ていた』です。
主人公が、様々な過去をもつ人たちとの出会いから、幸せを探す物語です。
- 1.自分は、みんなよりかしこい
- 2.「幸せって、もっと満たされた状態だろう。こう、心がいい気持ちでいっぱいになるような」
- 3.「人生とは、戻ることのできない道なのかもしれない」
- 4.「物語を読んだ人達の心に新しい世界を作るから作家っていうんでしょ?」
- 5.最後に
1.自分は、みんなよりかしこい
主人公の奈ノ花は「人生とは~」が口癖のちょっとおませな女の子。
本が好きで、自分はクラスのみんなよりかしこいと思っていた。
学校に友達はいないし、お父さんもお母さんも忙しくて遊んでくれないけれど、素敵な大人の友達がいるから寂しくはなかった。
2.「幸せって、もっと満たされた状態だろう。こう、心がいい気持ちでいっぱいになるような」
幸せとは何なのか。いつまで続くのか。
物語は子ども目線で描かれていて、大人の嫌な面もリアルに描かれている。
読んでいると、気づかないうちに、自分がとっくに大人になっていたことを実感する。
作中の大人たちは、それぞれ積み重ねてきた過去があって、自分なりの「幸せとは」を持っていた。
だけど、奈ノ花との出会いで、忘れていた幸せに気づいていく。
奈ノ花もまた、失敗しながらも大切なことを学んでいく。
3.「人生とは、戻ることのできない道なのかもしれない」
そのときは大きな悩みだったことも、時が経てばその意味がわかる。
反対に、大人になって忘れてしまうこともある。
特に、おばあちゃんの重みのあることばひとつひとつには、胸を打たれた。
くすっと笑える表現もあって楽しく読めるし、自分と重ね合わせながら読むときっと、心がじんわり温まって満たされていくはず。
4.「物語を読んだ人達の心に新しい世界を作るから作家っていうんでしょ?」
作中の印象に残ったことばで、まさにこの本を読んで感じたこと。
この本は、今まで見落としてしまっていたありふれた日常を丁寧にすくいとってくれて、目の前の見える世界を輝かせてくれる。
5.最後に
何かを探し回って幸せになろうとするのではなくて、今ある幸せを感じるためのヒントをたくさんもらいました。
これまで年を取るのが怖かったけれど、人とのつながりを大切にすればきっと、年を重ねるごとに良い人生になるはず。
月並みだけれど、これからも大切な人をちゃんと、大切にできる毎日を送りたいものです。
それにしても、久しぶりに小説を読むと、どっぷり世界に浸れてまさに心が満たされる時間でした。
本を選ぶのって、これからどんな世界にでも行けると思うと本当にワクワクするし楽しいですよね…!
それでは、また。